【 RED WING 】レッドウィング アイリッシュセッター “9874” オールソール カスタム Vibram#705

【 RED WING 】レッドウィング アイリッシュセッター “9874” オールソール カスタム Vibram#705

Dec 04, 2023

レッドウィングの王道モデル、アイリッシュセッター。

この9874は90年代の8179を復刻したモデル。

当時の8179に見られたディテールとして

挙げられるのが『茶芯』です。

 

当時様々な理由で茶色い革を芯まで黒く染めず

表面だけ黒く仕上げた革が使用されていました。

履き込むことで黒い革が茶色く変化していくエイジングは

多くのレッドウィングファンを魅了し

当時のオリジナルのモデルはプレ値が付くほど。

 

そんな当時の8179を復刻したモデルがこの9874。

当時の茶芯のエイジングを現代でも楽しめるように

新たに開発されたクロンダイクというレザーを落とし込んだ一足です。

 

9874が発売された2012年、当時学生だった私は

某雑誌でこのモデルを見て一目惚れし

レッドウィングジャパンに取り扱い店を問い合わせ

翌日上野へ買いに行った思い出があります。

現在は廃盤なのか売り切れなのか定かではありませんが

とにかく手に入らないモデルなので

購入しておいて良かったです。

 

と話が逸れてしまいましたがここからが本題。

今回はソールのお修理でのお持ち込み。

オリジナルトラクショントレッドソールが付いていますが

 

フロントのパターンが擦り減っており

サイドの部分はパターンが完全に消えてしまっています。

 

ヒール部分にも大きく擦り減りが見受けられました。

思わずガシガシ履いてしまうお気持ち、とてもわかります。

特に茶芯の靴は早く茶色くエイジングさせたい

という気持ち全開で履くのでついつい履きすぎてしまい

あっという間に修理のタイミングなんてことはよくある話です。

ガシガシ履いたという甲斐もあり

アッパーは良いエイジングを見せてくれています。

あとは履き込まれたソールを我々がメンテナンスすることで

またガシガシと履け更に良いエイジングを見せてくれそう。

 

今回は全体的に擦り減っているということもあり

オールソールをさせて頂くことに。

そして折角ならということでオーナー様のご意向で

別のソールへカスタムさせて頂きました。

 

仕上がりがこちら。

 

Vibram #705

使用したソールはVibram#705。

ワークブーツ定番のソールです。

 

デザインはVibram#700と同様に

シェブロン状のパターンが入り

高い耐久性とグリップ力を誇ります。

 

Vibram#700のハーフソールといったイメージ。

厚みのあるラバーが剥がれてこないよう

アウトステッチの他にソールの中央に

ステッチをかけているのですが何かの形に見えてきませんか?

 

入社した当時同じような質問を先輩にされ

難しく考えすぎてしまい答えられなかったのですが…

 

弊社ではこのステッチを

『お魚ステッチ』

と呼んでいます。

 

もうお魚ステッチ以外の名前が思いつかない程

お魚にしか見えなくなったのではないでしょうか笑

 

トップピースにはカバーグヒールを使用。

フロントのラバーに合わせて

Vibram#700ヒールを使用しても合いそうですね。

 

サイドビューも大きく雰囲気を変えています。

 

フロント部分はレザーソールとVibram#705により

ボリュームのある仕上がりに。

 

ヒール部分もボリュームのあるフロント部分と

バランスをとるように仕上げました。

 

またヒールの形状はストレートではなく

ウエスト部分を括れさせるピッチドヒール仕様に。

ヒール周りがスッキリとした印象になります。

 

無骨ながらもどこかエレガントな佇まいを感じさせる

最高のカスタムになったのではないでしょうか。

 

今回はオリジナルトラクショントレッドソールから

Vibram#705へオールソールさせて頂きました。

かなり雰囲気が変わりまた新たな気持ちで

履き始めることができそうですね。

 

また弊社では様々なレッドウィングの

カスタムやお修理をお受けしております。

こちらからこの他の事例をご確認頂けますので

合わせてご覧下さい。

 

ご不明点ございましたら

どうぞお気軽にお問い合わせ下さい。

 

皆様のご来店、心よりお待ちしております。

 

ありがとうございました。

 

青山店 中田