今回は、靴紹介、修理例から離れて、
ちょっと小話的な記事をあげてみようと思います。
以前、ピールの靴を紹介した際に少し触れた「ピールフェイシング」、
俗にいうスワンネックステッチについて本日は書いてみようと思います。

スワンネックステッチとはシューレースの横にある、
くの字のようなステッチのことをそのように呼んで広く知られています。
このディテールは様々な靴で見られますが、
スワンネック=エドワードグリーンのイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。
ただ、エドワードグリーンも最初からスワンネックステッチが入っていたわけではありません。

上の画像、手前側は修理サンプルとして渋谷店においてあるものですが、
少し古いエドワードグリーンです。このころはスワンネックステッチにはなっていません。
では、いつごろからこのディテールが採用され始めたのでしょうか。
詳しい方はご存じかもしれませんが、
所謂、「旧工場製」といわれる頃にはまだスワンネックではなかった、
という認識なのではないかと思います。
となると、「旧工場」というのはいつまでで、いつから「新工場」になったのでしょうか・・・。
その点についてみていきます。

こんな資料が手元にありまして、その中に興味深い内容がありました。

中身は当時のカタログ的なものです。
アントワープの販売店だと思うのですが、そこに向けて作られた物のようです。

こんな感じで、カテゴリー別に紹介されているページが何枚もあるのですが、
このカテゴリーの中にチェルシーやバークレイといったモデルが載っています。

こちらはまだスワンネックではないものが載っています。

このページで、スワンネックが採用され始めたのがわかります。

「Spring/Summer 1995」 と記載があり、
写真にはスワンネックが採用されたチェルシーが載せられています。
1995年の春夏から始まる新作ということだと思うのですが、
この時にスワンネックが始まったようです。

そして、当時の工場の名称と所在地が記載してありますが、
ウエスミンスターワークスという名称であり、ノーサンプトンのオリバーストリートが所在地となっています。
そこは、「旧工場」として知られている場所となります。
まだこのころは移転をしていなかったようです。

ちなみに、606ラストもこの時に始まったようです。

次にこのような資料があるのですが、
こちらから新工場移転の時期をある程度知ることができます。

こちらは1997/1998年用の資料のようです。

この時には工場名と所在地が新しくなっています。
ということは、1995年から遅くとも1997年までには新工場に移ったということが
ここから知ることができました。
こういった資料は今となっては希少で、この手の調べものに大変役立ちます。
今回はスワンネックステッチにフォーカスをしてみましたが、
そのほかにも当時展開していたラストや商品説明なども興味深い内容でした。
こちらの資料も渋谷店にございますのでご興味ある方は是非お気軽にお声がけください。
渋谷店は今週も土曜日・日曜日 11:00~19:00 で営業しております。
今回はいつもとはちょっと違う視点の記事でした。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
花田






