今回ご紹介するのはこちら。

パラブーツのチロリアンシューズミカエル。

ヴァンプの部分にアザラシの毛を使用しており、10年以上前に廃盤になってしまったモデル。

購入から一度も修理されずに履かれていたそうですが、ついにソールが剥がれてしまったとの事。

ソールの削れが激しい訳ではありませんが、時間と共に接着剤の劣化や素材の変質により剥がれてくることは多々あります。

今回はオールソールでのご依頼となりました。

続いてライニング。

見ての通りライニングには穴が空き、

ステッチは擦り切れております。

このままでは芯材にも影響が出かねないので、革を当てて補修しましょう。

アッパーは乾燥や色抜けが激しいので、入念なケアをしていきましょう。

仕上がりがこちら。

Vibram #2070 TRENTO

アウトソールはvibram#2070を使用。

ソールパターンはオリジナルと近いためサイドから見ても違和感ない仕上がり。

グリップ力や耐久性に優れているのでこれからも安心してお履きいただけます。

トウ、ヒール周りもバッチリな仕上がり。

続いてライニング。

Counter Lining

オリジナルのライニングに近い色の革で補修しております。

また、革当てと同時にステッチをかけますので元々のほつれも合わせて直すことができます。

最後にアッパー。

Shoe Polish

乳化性のクリームでケアして自然なツヤで仕上がったのではないでしょうか。

保革や補色できたことにより、乾燥や擦れが目立ちにくくなり良いエイジングをした一足に仕上がったかと思います。

今回はオールソール、ライニング補修、アッパーのケアをさせていただきました。

10年以上お履きになられていると、諸々お修理箇所が出てくるかと思います。

より長くお履きいただけるようご提案いたしますのでお気軽にご相談ください。

皆様のご来店お待ちしております。

ありがとうございました。

青山店　網本