【Praboot】パラブーツ カウンターライニング&ヒールアタッチ

【Praboot】パラブーツ カウンターライニング&ヒールアタッチ

May 21, 2025

本日ご紹介するのは、パラブーツの定番モデル「ミカエル」の修理です。

しっかりと履き込まれた一足で、全体的にくたびれています。

 

 

特にカウンター(かかと部分)周りでは、ライニングだけでなく内部の芯材までもが擦り切れ、欠損している状態。

 

 

芯材が失われたことで踵周りが型崩れを起こしており、このまま履き続けるとアッパー(靴の表革)にも
ダメージが進行する恐れがあります。

そこで、カウンターライニングの補修を施すことにしました。

 

 

加えて、ヒール部分もすり減り、厚みがかなり薄くなっていましたので、ラバー材による継ぎ足しも行います。

 

 

乾燥や色抜けが見られたアッパーには、しっかりとクリームを浸透させてケアを。

 

仕上がりがこちら。

 

欠損していた芯材部分には、硬化剤を染み込ませた革パッチを当てたうえで、カウンターライニングを修理。

新品同様の強度とまではいきませんが、十分な硬さを持たせることができましたので、安心してお履きいただけます。

 

 

また、薄くなっていたヒールにはラバー材で厚みを継ぎ足し、しっかりとした高さを取り戻しました。

 

 

ヒールの厚みが戻ると、全体のシルエットにもメリハリが出ます。

見た目の美しさだけでなく、すり減ったヒールを放置すると足首や膝への負担も大きくなりますので、
定期的な交換・補修をおすすめします。

 

 

しっかりクリームを浸透させたアッパーは黒々と艶を取り戻し、柔軟性も回復しました。

 

 

Before

 

 

After

 

底周りの修理は、ある程度ダメージが進んでいても対応できる場合が多いですが、
アッパー(表革)は基本的に交換ができません。

裂けや大きな欠損が生じてしまうと、修理はできても「直した感」が強く出てしまうことがあります。

できるだけ見た目を損なわずに仕上げるためには、軽傷の段階でご相談いただくのが理想です。

修理をご検討の際は、ぜひお早めにご相談ください。

 

ありがとうございました。

シン