ドレス向けのラバーソールと言えば英国ハルボロラバー社のダイナイトソール、そしてイタリアビブラム社の2055ソール(イートンソール)の2つが代表的。
よく似たビジュアルからどういった違いがあるの?とよく聞かれます。
そこで今回は2つのソールを簡単にですが比較します。
左 : Vibram#2055 Sole , 右 : Dainite Sole
パターンはよく似ていますが、細かいところに注目すると違いがよく分かります。
ラバーの質感、厚み、パターンに分けて比べてみます。
まずはラバーの質感について。
ダイナイトソールはしっとり滑らかな感じでやや硬め。
ビブラムの方はザラッとした質感で、ダイナイトと比べるとやや柔らかい印象です。
続いてパターンについて
両者共にドットタイプのスタッズが見られますが
ダイナイトソールはソールとドットの高低差が大きく、
ビブラムは高低差がほぼありません。
ダイナイトはドットの突起でグリップするのに対し、ビブラムは面でグリップするソールということが分かります。
また、ビブラムの方がパターンが内側に控えています。
マッケイ製法の靴をオールソールする場合はグッドイヤーに比べ内側を縫いますので、
パターンとマッケイ縫いが干渉しにくいビブラムをオススメするケースが多いです。
次は厚みについて
上 : ダイナイト(約5mm), 下 : ビブラム(約6.5mm)
厚みはビブラムの方がやや厚いです。
ソールだけで比べるとそこまで差がなく見えますが、仕上がるとコバの印象がだいぶ違います。
極力ドレッシーに仕上げたい方はダイナイトの方が良いでしょう。
最後にヒールについて
スッキリとしたビブラムに対してダイナイトはサイズ表記や釘を打ち込む穴がある等ディテールに拘りを感じます。
ヒールに関してはダイナイトの方が厚いですね。
ビブラム2055ソール ¥16,000+Tax〜
ダイナイトソール ¥18,000+Tax〜
全体としてみると多くの名門メーカーの純正パーツとして採用されているダイナイトの方が上質かなといった印象です。
ですがビブラムも決して悪いわけではありません。
コストパフォーマンスに優れたバランスの良い材料で、価格を抑えたい方にはオススメです。
簡単な違いの説明でしたが、材料を選ぶ際の参考になれば幸いです。
ありがとうございました。
横浜店 シン