【PARABOOT】PACIFIC Resole グルカサンダル ソール交換

【PARABOOT】PACIFIC Resole グルカサンダル ソール交換

Jun 16, 2025

雨季が明ければ、いよいよ夏本番。

サンダルの出番もこれから一層増えてくる季節ですね。

近年、大人のサンダルとして人気を集めているのが「グルカサンダル」。

もともとは軍用の靴として使われていた歴史があり、

足をしっかりと包み込む構造で歩きやすいのが特徴です。


また、素足が出過ぎない上品なデザインも、大人に好まれる理由のひとつかもしれません。

本日は、そんなグルカサンダルの修理事例をご紹介します。

 

PARABOOT PACIFIC 

アッパー部分はきちんとお手入れされており、目立ったダメージもありません。

 

しかし、バックルを留めているゴムの部分に劣化が見受けられました。

このパーツは伸縮を繰り返すため、どうしても傷みやすく、今回はゴム交換が必要な状態です。

 

次にソールを確認すると、厚みも残っており、すぐに交換が必要というほどではありません。

 

…が、よく見るとつま先部分に剥がれが発生しています。

これはセメント製法の靴にはどうしても起こりうる症状です。

製法上仕方ないとはいえ、頻繁に剥がれて修理に出すのも煩わしいもの。

ならば、そもそもの製法を変えてしまうという選択肢もあります。

幸いにも、製法変更が可能なタイプでしたので、

「セメント製法」から「ブレイク製法(マッケイ製法)」へ変更し、ソールの交換を行いました。

 

それではここからは修理後の仕上がりをご紹介。

まずはバックルのゴム交換から。

オリジナルと近い素材で交換しましたので、見た目の違和感もなく、自然な仕上がりに。

ホールド力もばっちり回復しています

 

続いてソール。
今回は新しく入荷した「ミニリップルソール」を使用しました。

新材料のご紹介 Vibram#342 

 

とても上手くまとまった仕上がりではないでしょうか。

 

フロント部は、上から中底 → 土台(レザー) → ラバーミドル → ミニリップルソール

という構造です。

 

ウェストからヒールかけては、ラバーミドルとミニリップルの間にスポンジ製のハーフスリップを入れ、

ヒールの高さを調整しました。

 

もともと中底とレザーの土台が剥がれていたため、

今回は中底・土台・ラバーミドルをステッチで縫い止め、

その下にミニリップルを貼り付ける形に。縫いによって隙間も解消され、耐久性が向上しました。

 

 

ただし、中底を縫い止める都合上、足が乗る部分にぐるりとステッチが走ってしまいます。

そのため、新たに中敷きを製作し、中底の上に敷いて仕上げています。

これにより、見た目もきれいで、足当たりも損なわれません。


違和感のない仕上がりです。     

 

仕上がりをご覧になったお客様からは、

「オリジナルより好きな見た目です」との嬉しいお言葉をいただきました。

カスタム後にいただく、何よりの褒め言葉ですね。

ご満足いただけて、私たちも本当に嬉しい限りです。

 

セメント製法からブレイク製法への変更、こういった修理・カスタムも可能です。

ご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

皆さまのご来店・ご利用を心よりお待ちしております。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

横浜店 山田