Part 4 , Dead Stock Shoes / Norvic & K Shoes

Part 4 , Dead Stock Shoes / Norvic & K Shoes

Oct 28, 2021

パート4はちょっとマニアックめな靴をご紹介していこうと思います。

 

 

 

 

まずはこちら。Norvic Shoes。

歴史は古く1840年代にNorwichにてまずは革の販売業からスタート。

1850年代に製靴を始める。

婦人靴を主に生産していたそうですが、各地の企業や工場を買収などして規模を広げていき、

軍への供給なども行うなど紳士靴や子供靴に至るまで、かなりの規模を有していたようです。

最盛期には従業員は2000人を数え、週産25000足に及んだそうです。

その後は徐々に規模は縮小し、1982年にその幕を閉じたという事です。

 

 

 

 

そのNorvic Shoesの歴史の中で外せないのがこちらの靴かと思います。

トウのフォルムがなんとも特徴的な1足。

ビルケンシュトックを連想させるこの形。

 

 

 

 

Foot Likeと名付けられていることからもそれらしい雰囲気が溢れています。

ここには名前が登場しませんが、Herbert Baker(ハーバート・バーカー)という整体医さんが

無理のない靴を履くことが重要だという事を唱えます。

そしてNorvic Shoesが生産を請け負い、形になったものがこちらの靴ということです。

Herbert Baker Shoesという名前の方がもしかしたら市場に出回っているかもしれません。

そのハーバート・バーカー氏は1950年に亡くなるのですが、その後も生産され続けていたようです。

 

 

 

 

 

それではディテールをご紹介していきます。

恐らく60sころの物と思われるのですが、まずはとにかく革が素晴らしい。

肌理細かく素晴らしい表情になっていくだろうなと思わさせられます。

作りも量産していたとはいえ、パンチングやステッチなどの仕上がりもとても綺麗。

 

 

 

 

 

ウエルトの目付なんかも一目一目しっかり綺麗に入っていて、

今の既製品ではなかなかここまでの物は見られなくなってしまいました。

当時の人々のやる気は素晴らしい。

 

 

 

 

 

整形面も大変しっかりと綺麗に仕上がっています。

 

 

 

 

 

ヒールもおさまりが良さそうです。

 

 

 

 

 

やっぱりスプリットヒール。

(ソールが2つのパーツになっています。斜めのラインが見えるところです)

 

 

 

 

ソールの仕上げが面白く、矢筈か?と思うほど下面を大きく面取りしています。

 

 

 

 

ソールはシングルレザーでヒドゥンチャネル。

 

 

 

 

 

ヒールはラバーのトップピース。

 

 

 

 

ライニングの表記はこんな具合です。

 

 

 

 

 

箱も雰囲気あります。

サイズは8。スタイルはF4というもののようです。

 

 

 

 

 

Norvic Shoes Foot Like

¥77,000(¥70,000)

マイサイズなら履いてみたかった。。

サイズが合う方いかがでしょうか。

続いてもう1足行きます。

 

 

 

 

 

続きましてはK Shoes。

これは以前にもご紹介したことがありまして、ご存じの方も多いかと思います。

 

 

 

 

 

クラークスに吸収されたという事で知っている方が多いかと思いますが、

ワラントも保持しており、高級靴メーカーというよりかは大衆向けの良きメーカーといったところでしょうか。

 

 

 

 

 

 

今回ご用意できたのは基本の1足、キャップトウ。

 

 

 

 

 

革はムチャクチャ良い!というよりか、必要にして十分という印象の物。

 

 

 

 

今回改めて感心したのが、比較的手に入れやすい価格帯のメーカーだったであろうメーカーゆえ、

超絶技巧的なものは無いのですが、靴として必要な基本的なところはしっかり押さえている点。

 

 

 

 

ラストの形がしっかり映されたフォルム。

しっかり足に沿ってくれそう。

 

 

 

 

くるぶしが低い方でも邪魔にならなそうなトップライン。

 

 

 

 

収まりも良さそうです。

 

 

 

 

表情は味気ないですが、ステッチは良い場所に綺麗にかかっています。

格好つけようとして縫い直せない状態で仕上げてしまっているものよりこちらの方が全然有難いです。

 

 

 

 

 

なんとスプリットヒール。

 

 

 

 

ソールはシングルレザーでオープンチャネル。

チャネルは十分な深さで彫られています。

 

 

 

 

オリジナルのラバートップピース。

 

 

 

 

 

ライニングの表記。

 

 

 

 

 

サイズは6hになります。

 

 

 

 

エリザベス2世とお母さんの2つのワラントを持っていたんですね!

 

 

 

 

箱もあちこちプリントが入って楽しいです。

 

 

 

 

箱の他にこんなのも付きます。

 

 

 

 

こういうものは当時の雰囲気が感じられて貴重です。

 

 

 

 

 

K Shoes Black Cap Toe

¥33,000(¥30,000)

 

まさに誠実という言葉が似合いそうな靴。

きっと、初めてのビジネスシューズとか初々しい場面で選ばれてきた靴なんだろうなという場面が浮かんできそう。

Good Enoughな靴かと思います。

そんなことを思いながら身に着けるのも面白いかと思います。

 

 

今回は以上。

今となってはマイナーかもしれないけど良い靴2足のご紹介でした。

パート5に続く。

Part 5 , Dead Stock Shoes / John Spencer

 

 

ユニオンワークス新宿 花田