【GUIDI】BAG ファスナー交換 ハンドル根革補修

【GUIDI】BAG ファスナー交換 ハンドル根革補修

Sep 20, 2026

本日はGUIDI(グイディ)のバッグ修理をご紹介します。

まずは、さらっとGUIDIのご紹介から。

 

「GUIDIとは」

1896年、イタリア・トスカーナ州ペーシャでレザータンナーとして創業。

100年以上にわたり培ってきた革づくりの技術をもとに、2004年からは自社でのシューズコレクションをスタート。

現在では、バッグやアクセサリー、ジュエリーまで幅広く展開しています。

GUIDIを象徴するもののひとつが、「タンブラーダイ」と呼ばれる、製品として形を完成させた後に染色する技法。

レザーだけでなく、ジップやソールまで染め上げることで、独特のムラや風合いが生まれます。

さらに、使い込むほどに持ち主の癖や時間が刻まれ、ひとつとして同じもののない表情へと変化していくのもGUIDIの魅力です。

 

今回は、そんなGUIDIのバッグをこれからも長く愛用していただくために、実際の修理事例をご紹介します。

 

今回お持ち込みいただいたのはこちらのバッグ。

 

長さのあるハンドルで、肩掛けもしやすそうです。

大きめのバッグですが、ハンドル自体に幅があるため、荷物を多く入れても力が分散され、肩への負担もそこまで大きくなさそうですね。

 

また、ファスナーがぐるっとほぼ一周にわたって取り付けられており、ガバッと大きく口を開けられる仕様。

見た目だけでなく、使い勝手も良さそうなバッグです。

 

今回のご依頼内容は2箇所。

ひとつ目はファスナーです。

部分的にテープが切れてしまっています。

 

さらにスライダーも片方が外れてしまい、ファスナーを閉じることができない状態です。

 

そしてもうひとつが、ハンドルと本体を固定している「根革」部分。

 

ここは非常に負荷のかかる箇所。

さらに折れ曲がる部分ということもあり、経年劣化によるヒビ割れが起きています。

 

本体側も革が裂け、カシメごと根革側に持っていかれてしまい、丸い穴が空いてしまっています。

 

この症状が、4箇所ほぼすべてに見受けられました。

 

それでは、まずファスナーから修理していきます。

今回はファスナーを丸ごと交換します。

 

まずは、元のファスナーを取り外します。

 

とても長いので、写真に収まりきりませんね。

長さは120cm以上あります。

 

次に、新しく交換するファスナーの染色を行います。

今回使用するのは、日本が世界に誇るYKKの「EXCELLA(エクセラ)」。

ナイロン素材のものを使用します。

 

染料を何色か重ねながら染めることで、GUIDIらしいムラ感を出していきます。

 

テープの染色が終わったら、スライダーを通します。

オリジナルにはGUIDIのロゴが入っているので、今回はこのスライダーを流用します。

 

ただし、オリジナルのスライダーは状態によって、再利用をおすすめしない場合もあります。

よくあるのが、引き手とスライダーの接続部分が摩耗によって痩せてしまい、今にも折れそうになっているケース。

今回は問題なさそうなので、そのまま再利用します。

 

そして、ファスナーの先端についているこちらの革も再利用するため、丁寧に取り外しておきます。

 

テープにスライダーを通したら、交換用ファスナーの完成です。

 

こちらを本体に仮固定し、その後、縫い留めていきます。

 

 

最後に、先ほど取り外しておいた革を先端に縫い直せば、ファスナー交換は完了です。

 

 

次に、ハンドルの根元部分の補修に取り掛かります。

今回は、なるべくオリジナルを活かす方法で修理することにしました。

 

傷んでいる箇所をカットし、新たに革を継ぎ足す方法です。

まず、本体に空いてしまった穴を補強材と革で補強し、縫い留めることで穴を塞ぎます。

その後、傷んでいる部分をカット。

新たに用意した革を、本体と残った根革の間に差し込みます。

 

足した革を縫い留め、カシメを打ち直したら完成です。

カシメは雰囲気を合わせるため、あえて錆びたような加工を施しています。

 

カシメ以外にも、全体の雰囲気を近づけたり、強度を上げたりするための工夫をいくつか施していますが、ここでは割愛。

すべてを説明してしまうのも野暮なので、最後にお見せする仕上がり写真から感じ取っていただけたらと思います。

……本当は作業写真を撮り忘れただけなんですけどね。

 

それでは、仕上がりをご覧ください。

 

「ファスナー」

 

開いてみると、ファスナーのムラ感がよく分かりますね。

細かい部分ですが、こうしたところもGUIDIの雰囲気を損なわないための大切なポイントです。

 

オリジナルのスライダーもしっかり移植。

 

開閉もスムーズになりました。

 

「ハンドル根元」

 

雰囲気の近い革を選定し、さらにエッジの仕上げ方を工夫したことで、かなり自然に馴染んでいます。

 

カシメも、新品ですが、加工を施すことで使い込まれたようなくたびれた雰囲気に。

こちらも違和感なく馴染んでいるのではないでしょうか。

 

とても良い仕上がりになったと思います。

GUIDIのように、独特の風合いや経年変化も魅力のひとつであるアイテムは、

修理の際にもその雰囲気を損なわないことが大切です。

 

ユニオンワークスでは、靴の修理はもちろん、バッグや革小物の修理も承っております。

お気に入りのバッグや革小物でお困りのことがございましたら、ぜひ一度ご相談くださいませ。

 

 

最後までお読みいただき、有難うございました。

 

横浜店 山田