アドヴィンテージ トランクショー最終週!

アドヴィンテージ トランクショー最終週!

Feb 16, 2019

銀座店2階で開催しているアドヴィンテージのトランクショー。

3連休はあいにくの天気にも関わらず、ご来店いただきありがとうございました。

当日は60本程のヴィンテージウォッチが並び、1点1点異なったデザインで魅力的な物ばかりです。

今週末でトランクショーは終了になりますので、ぜひご来店ください!

日時:2月16日(土)、17日(日)

営業時間:12時~20時

場所:ユニオンワークス銀座店 The Upper Gallery
       https://www.union-works.co.jp/shop/uppergallery/

今回ユニオンワークスではトランクショーとともに、ウェブショッピングサイトでも期間限定でadvintageのヴィンテージウォッチの販売を行なっています。

ここにセレクトしたアイテムは、英国時計の雄〈スミス〉の腕時計3点を筆頭に、名門スイスブランドからも3点、いずれも当時英国市場で展開された、イングリッシュテイストを纏うドレッシーなヴィンテージウォッチを揃えました。

それぞれ異なる背景と魅力を備えた顔ぶれ。今回はひとつひとつその物語を紐解いてみたいと思います。

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▫️SMITHS “DE LUXE” 9KYG CASE / ENGLAND 1950’S

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まずは〈スミス〉のベストセラーモデル「デラックス」から、やや大振りな金無垢ケースを纏った一本。ツートーンダイヤルにアラビア数字と楔形インデックスのコンビネーションという文字盤は、他のスミスの腕時計にも好んで用いられた、最も愛された文字盤デザインと言って良いでしょう。

商品ページ    https://unionworks.stores.jp/items/5c5da02ee73a253c9e1d4f68

ここで簡単にスミスの歴史を振り返っておきたいと思います。

スミスは高品質な機械式時計はもとより、自動車などの計器類の製造を行なっていたイギリスの名門時計メーカー。その歴史は古く、1851年にサミュエル・スミス がロンドンで創業した宝飾・時計販売店「S. Smiths & Son」にはじまります。

スミスの腕時計の筆頭に挙げられるのが、1951年から製造が開始された「デラックス」。その特徴は、信頼性の高い英国製ムーブメントは言うに及ばず、その豊富なデザインバリエーション。とにかくさまざまなケース・文字盤デザインのパターンが存在します。

スミスの腕時計が初めて世に知られたきっかけは、ジョン・ハント率いる英国のエベレスト遠征隊による1953年5月29日の世界最高峰初登頂と言われています。その際人類で初めてエベレストの頂に立った冒険家エドモンド・ヒラリー卿の腕にあったのが、厳しい環境下でも正確な時間を刻むスミスの「デラックス」でした。

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▫️SMITHS “ASTRAL” 9KYG CASE / ENGLAND 1960’S

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デラックスに続いて発表され、1960年代末までロングセラーを続けたのが、次にご紹介する「アストラル」。デラックスに負けず劣らず豊富なバリエーションを誇り、当時のトレンドを反映したシンプルかつモダンなデザイン性が特徴です。

こちらのアストラルもその例にもれず、ノーブルな印象を増した文字盤デザインが特徴的。やや大振りな金無垢ケースは薄めに仕上げられ、インデックスを控えめに配置することでドレッシーな様相を強めています。

ちなみにこのアストラルの名前は、元々19世紀に存在したマリンクロノメーターのメーカー、〈H.ウィリアムソン(H. WILLIAMSON LTD.)〉社が保有していたブランド名で、後にスミスに吸収された珍しい経緯があります。

商品ページ https://unionworks.stores.jp/items/5c5d9ebb3b636560aac91ca8

▫️SMITHS “PRE DELUXE” / ENGLAND 1940’S

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そして忘れてはならないのが、スミスが初めて国産腕時計の製造を開始した1947年から、デラックスがリリースされる1951年まで、数年間だけ製造された数少ない初期モデル。見ての通り、スミスのロゴのみ冠せられたシンプルな文字盤。デラックス以降のスミスの腕時計デザインとは明らかに異なる、プリミティブな表情。「アーリー・スミス」とも呼ばれますが、これを抜きにスミスは語れません。

そのケースはいずれも英国のウォッチケース専業メーカー「デニソン社」が手掛けており、質実剛健にして上品なシルエットが特徴的です。デニソン社はロレックスをはじめとする数多くの名門ブランドのケースも手掛けた、高品質ケースメーカーとして知られています。

商品ページ https://unionworks.stores.jp/items/5c5da1613b636557cac919d7

▫️TUDOR “OYSTER” / SWISS 1950’S

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続いてスイスの名門ブランド、チュードル、ロンジン、ティソから。まずは最近日本再上陸し、その名もチューダーと正式に改められたことでも話題のチュードル。チュードルといえば、ロレックスと同じオイスターケースを用いつつ、ムーブメントに汎用品を用いることで価格を抑え、当時高額すぎて売上不振に陥ったロレックスを救ったディフュージョンブランドとして知られています。

英国民の親しみの深いチューダー王家から名付けられ、その王家の家紋であるバラを象徴的なロゴに採用したという経緯も、英国市場を強く意識したブランドであることが伺えます。どことなくスミスのデラックスの代表的な文字盤デザインにも似ています。

商品ページ https://unionworks.stores.jp/items/5c5da2f4787d8436bd88fff4

▫️LONGINES 9KYG DENNISON CASE & PORCELAIN DIAL / SWISS 1940’S

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続いて、クロノグラフやアヴィエーションウォッチなどで伝説的なモデルを手掛けてきたロンジンから、柔らかな金無垢のクッションケースとポーセリンダイヤルの端正な美が共演するドレスウォッチを。1930年代の製造当時の、美しい乳白色を今に伝える陶板製文字盤には、アール・デコの影響を色濃く受けるレイルウェイ・インデックスとアラビア全数字といった鉄道時計を彷彿とさせるデザインが採用されています。

また、ロンジンをはじめとするスイス時計メーカーが英国市場向けにアレンジするポイントとして、英国製のウォッチケースメーカーの製品を採用することがあります。通には一目でわかる、その肉厚なフォルムと深い輝き。これぞ英国のドレスウォッチです。

商品ページ https://unionworks.stores.jp/items/5c5da5e8e73a2548761d4d4c

▫️Tissot 9KYG DENNISON CASE / SWISS 1940’S

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最後に、現在もオメガやロンジンをはじめとするウォッチブランドのコングロマリット、スウォッチグループの中枢に位置する〈ティソ〉が1940年代に製造した「アンチマグネティーク」の腕時計。もちろんこの個体も英国市場向けで、力強くも上品なデニソン ・ケースが採用されています。

ティソが産声を上げたのは1953年。スイスの時計生産地として有名なジュウ渓谷のル・ロックルで、シャルル=フェリシアン・ティソと、その息子シャルル=エミール・ティソによる時計メーカーから、その160年以上に及ぶ長い歴史は始まります。その最初期から時計製造の技術革新による時計の普及を目指してきましたが、三代目となるシャルル=ティソが開拓したロシア市場を中心に時計の輸出を行い、ロマノフ朝の皇帝に愛されたブランドとしても知られています。

この腕時計にも搭載されている、1930年代に発表された世界初の耐磁性を持つムーブメント「アンチマグネティーク」は、その後の腕時計業界全体のスタンダードを作ったと言っても過言ではないと思います。

商品ページ https://unionworks.stores.jp/items/5c5da249c2fc283593620d47

よろしくお願いいたします。

ユニオンワークス銀座店青山店

黒須