ヴィンテージウォッチの魅力

ヴィンテージウォッチの魅力

Aug 03, 2017

The Upper Gallery にて開催しておりますヴィンテージウォッチのトランクショー

初日、2日目とたくさんの方にご来店頂き、誠にありがとうございます!

今週末8月5日(土)、6日(日) の2日間で最終日を迎えますが、

店頭にはどれにしようか悩ませる程のヴィンテージウォッチが並びます。

まだご来店をされてない方、どちらにしようか検討中の方。

皆さまのご来店をお待ちしております!

それでは、本日はアドヴィンテージ様よりヴィンテージウォッチの魅力について。

人が腕時計を選ぶとき、ほとんどの人が現行品から選びます。ヴィンテージウォッチは、その選択肢にすら入らないこともしばしば。その際のヴィンテージウォッチの初期想起率は、ほんの数パーセントとも言われています。

つまりはヴィンテージウォッチを選ぶ時点でほとんど他人と被ることがないのですが、あえてその中でもう少し突っ込んだセレクトができれば、その時計への愛着も一層大きくなるかもしれません。

今回はそのヴィンテージウォッチ特有のデザイン性をいくつかご紹介したいと思います。

〈ブルースチールの輝きは何物にも代え難いヴィンテージウォッチの魅力〉

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ブルースチールと呼ばれる青光りする針

ヴィンテージウォッチの中でも、1940年代以前の古いモデルに見られる特徴です。この芯の強さを感じさせる深い鉄紺色が、不意にきらりと反射して見せる瑠璃色の輝きは何とも言えず、この輝きに魅了されてヴィンテージウォッチに恋する人も多いはず。

鉄に熱を加えることで表面に酸化被膜を生成しサビを防ぐという古来の技法が用いられており、それは温度上昇によって刻々と変化する素材の色とタイミングを見極め、最も美しいコーンフラワーブルーを生むという繊細な手仕事でもあります。

〈スモールセコンド or センターセコンド〉

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時計と言われると、右のような中央に時・分・秒の三針がくるものを想起する方が多いかもしれません。

しかし懐中時計の時代にさかのぼると、元は左のようなスモールセコンドと呼ばれる秒専用のサブダイヤルが6時位置に置かれるスタイルが一般的でした。秒単位での視認がそれほど必要でなかった時代は、むしろ秒針のない二針が最もドレッシーとされ、この当時秒針はそれほど重要ではなかったようです。

しかし二度の世界大戦通して腕時計の重要性は飛躍的に高まり、その状況も一変します。兵隊の作戦実行のほか、医療従事者が脈拍を図る際など、秒単位での計測・視認が重要性を持つ作業においてはスモールセコンドは不便で、秒視認が容易なセンターセコンドの需要が高まったわけですが、そのために新たなセンターセコンド用ムーブメントの開発が進められることになりました。

どちらにも異なる魅力がありますが、スモールセコンドがよりクラシックなスタイルというのは、そうした技術的な背景から来ているのです。

〈エイジングした文字盤の味わい〉

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時が染める味わい。これもまた、ヴィンテージウォッチならではの魅力です。

頬を赤らめるように焼けたきつね色の文字盤、ミラーフィニッシュの黒文字盤が枯れて生み出す、煤(すす)色、赤銅色、そして無数のスポットによる亜麻色のマーブル。そのどれもが、作為のない天然の美。

ヴィンテージの家具や着古したデニムに近い、風合いの美とも通じる部分。文字盤のエイジングはダメージではありこそすれ、機能性に大きな影響を与えるものではありません。ヴィンテージウォッチを「一点物」たらしめているのは、その個体の希少性だけでなく、エイジングも大きな影響を与えていると思います。

<英国時計の証、デニソンケース>

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英国時計の魅力は、〈スミス〉だけではありません。英国国内に当時存在した高級宝飾品点や時計メーカーのショップウォッチや、スイスブランドの英国市場向けモデルには、当時ウォッチケースの製造のみに特化したメーカー、〈デニソン・ウォッチケース・カンパニー〉のケースが用いられているものが散見されます。

デニソン社のウォッチケースは、ロレックスやオメガといった世界的な高級ブランドも英国市場向けモデルに採用していた、非常に高品質なケース。その肉厚なボディは、独特の丸みを帯びた美しいフォルムが特徴的です。とりわけ同社のステンレススチールは「デニスチール」と呼ばれ、スターリングシルバーさながらの上品な硬質感が魅力。

今回のイベントでセレクトした商品の中にも、このデニソンケースを纏った英国の腕時計がいくつかございます。是非店頭で確かめてみて下さい。

その他、各ブランドやモデルの背景、歴史などが幾重にも折り重なり、一本一本の魅力が醸成されているのがヴィンテージウォッチです。是非この機会に、そのような魅力に触れて楽しんでいただければ幸いです。